火の鳥を描きながらブツブツ話しだすアタシ。/ただのイラストを描く変な人。
何日も前から私の頭の中を火の鳥が飛び回っていた。
早く出してあげたいと思った。
でも、他にも出してあげたいものがたくさんあった。
順番に柵の扉を開けて出してあげようと思っていた。
アタシにとって『順番』は大切なんだ。
でも、火の鳥は待ってくれない。
今日がお別れだと言われた・・・
姿形は頭の中を飛び回る火の鳥を見ながら描いていく。
ざっくりでいい。
どうせ絵の具の中で飛び回るうちに、下描きなんてなんの意味もなくなる。
『準備はいい?』
心配そうに火の鳥に言われた。
『大丈夫だよ。私は冷静。すごく落ち着いているよ』
火の鳥がうなずくのを見て、ゆっくりとはじめた。
まずはバックから。
火の鳥は今日も燃えている。
輝く火の鳥のバックはどんなものでも暗くなる。
燃えている。燃えている。火の鳥は燃えている・・・
・・・一時期、こんなふうに毎日解放していた。
曜日も日にちもわからなくなるまで引きこもり、夢中で解放をつづけた。
右手の中指が筆の形に合わせるように変形しても気にはならなかった。
積み上げた画用紙が天井に届いて崩れても気にはならなかった。
1日4枚以上描く生活を4年はつづけた。
5000枚以上の風景や動物を解放していた。
夢中で描いた。
『何かを手にするには何かを犠牲にしなければならない』と何かの本に書いてあった。
私の場合はなんだったのだろう?
学校?
友人?
時間?
何を犠牲にしたんだろう?
わからないや。
夢中だったから。
下塗りに小手先の技はいらなくて、とにかく攻めていけばいい。
下塗りを終えて
頭の中ではなくて、すぐそこに火の鳥がはっきりと見えた・・・
最後まで読んでくださり、ありがとうございましたm(__)m。
仕上げを近日中に公開します。