アタシがTSUTAYAでドラえもんを借りる理由。
私は映画が好きだ。
だから、小さい頃からTSUTAYAに行って借りてきては見ていた。
でも、いつの頃からか、借りたい映画がなくなってしまった。
映画に興味がなくなったわけではないし、キライになったわけでもない。
つまんない映画が増えたわけでもないと思う。
新作コーナーに行くと『見たいな』て思う映画がよくあったりする。
でも、それを『本当に見たい』のかよくわかんない。
小さい頃はTSUTAYAに行ったらすぐに見たいものを手にとっていた。
でも、今は、一時間ちかくいても見たいものがわからない。
昔みた古い映画を借りて気持ちをごまかそうとか思ったりもするし、じっさいに借りたこともある。
だけど、なんか、ちがってた。
昔見たかった映画は『今、見たい映画』ではやっぱりなかった。
今、アタシが見たい映画はどこにあるんだろう?
ずっとTSUTAYAのなかをグルグルまわって疲れて何も借りずに帰る日々がつづいた。
でも、なんか、借りて見たい気持ちがあるから、すぐにTSUTAYAにむかって、やっぱりグルグルまわって帰ってを、けっこうながいことくりかえした・・・。
いつだったか忘れたけど、急に思いついた。
そうだ。ドラえもんを借りればいいんだ、て。
ドラえもんなら、むずかしく考えないで見ることができる。
ドラえもんって、とんでもなくシンプルに『悪と正義』や『愛や友情』が、えがかれているから、見ていて悩まなくてすむ。
二十歳になった女が見るのは、おかしいような気がしたけど、逆に今になって見ると小さい頃には気づかなかったドラえもんののび太君にたいする優しさとか、ジャイアンとスネ夫の友情とかが、すごくよくわかった。
それにとにかくシンプルだったから、仕事で夜勤して帰ってきて、明け方なんにも考えられない頭で見ていてもラクラクだった。
ドラえもんじゃなくてコナン君(名探偵コナン)を借りてたこともあったけど、夜勤してきた頭には、むずかしい推理とかは、すんなりはいってこなくてダメだった。
やっぱりアタシにはドラえもんだった。
ドラえもんの優しさや意味不明な秘密道具を見て、私はいつもしあわせな気持ちになる。
本当は見たい映画があるんだろうけど、今の私は探せないからしかたない。
いつか本当に見たい映画が探せる日まで、ドラえもんとのび太君と一緒に待っていようと思う。
またね。