集団自殺と永久追放された女の子。
※閲覧注意のお話です。暗い話が苦手な人は読まないでください。
前回の【ラップ脱走事件と『またね?』のバイバイ。】のつづきになります。
処分が決まってから、私はもちろん落ちこんだ。
せっかく大キライなお母さんからはなれて幸せにすごしていたのに、いきなり強制退去とか信じられなかった。
しかも、無実の罪なのに(私、かわいそう)。
さらに、イヤなことがかさなってて、お母さんに電話で話したら『施設でも手におえない子は私の子じゃありません。だから、迎えになんて行くもんか』とか意味不明な悪口いいだしたから、けっきょく大好きなお父さんが迎えにくることになった。
『施設でも手におえない』とか、すごい最悪な言いかただと思った。
チィとかボタみたいな【頭のおかしな子】と一緒にされたみたいでキズついた。
それに、チィとかボタが謹慎処分なのに、なんでアタシやキューが強制退去なのかも意味不明だった。
フツーに考えて、謹慎よりも強制退去のほうが罪が思いイメージがあったから。
それで、そのことを昼休みに屋上で、キベさんにきいてみた。
『どうして私やキューが強制退去でチィたちが謹慎なの?』て。
そうしたら、キベさんが話してくれた。
謹慎の子は、いく場所がむずかしい子が受ける罰で、強制退去は行く場所がある子の罰だと。
たしかに、私は夏休み限定みたいな感じで来ていたし、キューはすぐによそに移って行ったけど、チィとかはむずかしいだろうな、て思ったから、なんか、納得した。
それから『ホントに問題のある人は、もっと罰が重くなるんだよ?』て言われたから『どんな罰?』てきいてみた。
そうしたら、本当に問題のある人は、行く場所がなくても、施設から強制退去になるし、施設じたいに戻ってこれないように《永久追放》になるんだと教えてくれた。
なんか、永久追放とかはホントにヤバい人だけの罰みたいで、武勇伝(?)のこして自殺したキューのお姉ちゃんでも謹慎処分だったから、ホントに信じられないくらいヤバい人の罰らしかった。
そんな人は、めったにいないらしくて、キベさんが施設に来てからは、1人もいないらしかった。
でも、近くにいた、フトクメのおばあちゃん(半分ボケちゃってるめんどくさいおばあちゃん)が20年くらいまえに、永久追放になった人がいたって話してくれた。
キベさんもはじめて聞く話みたいだった。
なんか、20年くらいまえに、知的障害(?)の女の子が施設にきたらしい。
その子は、私とおんなじで小学生で、やっぱり私とおんなじように期間限定みたいな感じで、あずかった子だった。
その子は生まれつき、字を書いたりするのがきょくたんに苦手で、何度も勉強しても忘れちゃう病気だったらしい。
でも、その子は、すごい才能が1つだけあって【人を引きつける話】がとにかく得意だったみたいです。
フトクメのおばあちゃんが言ってたけど、たぶん、あの子は読み書きが苦手だったから話す力が自然とそなわったのだろうね、て言ってた。
最初は、字がぜんぜん書けないからバカにしてた同い年くらいの子たちが、いつのまにか、すごい仲良くなっていて、その子のまわりは、いつも子どもがたくさん集まってたそうです。
それで、どういう理由かわからなかったけど、急に施設ないで自殺をしようとする人がふえだして(しかも、大人じゃなくて、子どもばっかり)このままじゃまずい、てなってイロイロ調べたら、なんか、その期間限定できていた子が原因の1つになっている可能性があるんじゃないかってなったから、永久追放になったらしい。
フトクメのおばあちゃんは、じっさいにその子と話したことがあったけど、とにかく、不思議な子で、いつまでも話していたくなるような子だったらしい。
フトクメのおばあちゃん的には、最初は悪い子だとは信じられなかったから、永久追放を決定した人たちは、まちがっていると強く思ったと話していた(何人かの人と一緒に抗議(?)したとか言ってた)。
でも、結果的に、その子が施設から追放されたら、自殺しようとする子は1人もいなくなったから『やっぱりあの子には、何かあったんだろうね』て言ったりしてた。
なんか、その時の対策で窓のアミとか屋上のサクとかできたんだと言われて、ビックリした。
あと、フトクメのおばあちゃんが、その子のことで、ちょっとだけ気になったことがあったのが、夜遅くにその子を図書室で見かけたことがあって、その子が読み書きがぜんぜんできないの知ってたフトクメのおばあちゃんが『なんであなたがこんな所にいるの?』て悪意とかなく、思ったままきいたそうです。
そうしたら、その子は、その言葉にキズついた(?)みたいで、ふだん、すごいニコニコしているのに、目がすごい怖い目になって、ニラムような感じでフトクメのおばあちゃんを見てきたそうです。
それ見たフトクメのおばあちゃんは、ふだんとぜんぜんちがう雰囲気にビックリして『ごめんね』てすぐに謝ったみたいで、謝ったら、すぐにいつものニコニコに戻ったから、良かったと思ったそうです。
なんか、そういうこともあったから、えたいの知れない子だとは思ったとか言ってた。
私は、小学生で集団自殺させるとか、人として終わってるじゃん、て思った。
でも、なんか、すごいイヤな予感がした。
たしか、お父さんの殺されちゃったお姉ちゃんが小学生の時に、やっぱりどこかの施設に入っていて、自殺した友達のせいで強制てきに、施設から追いだされたとか言ってた気がしたから。
もしかしてお父さんのお姉ちゃんのこと?て考えたりして、なんか、イヤな気持ちになっていたら、フトクメのおばあちゃんがアタシのことジッと見て、なんか、言いたそうにしてたけど『なに?』てアタシが強めの感じできいたら、首よこにふって何も言わなかった・・・。
キベさんは、施設の歴史的な話をそれからフトクメのおばあちゃんからきいていた。
私は、あんま、歴史てきな話とかききたくもなかったから、お父さんはやく迎えに来ないかな、て考えながら、部屋にもどってチィやボタに置き手紙を書いたりして、お父さんの迎えを待つことにした。
つづく。
※なんか、不適切(?)なところがあったみたいなので、最初に書いたものを変更したりして、話がわかりやすいようにかえています。ごめんなさい。