お父さんとの楽しい旅行と永久追放の話。
※閲覧注意のお話です。暗い話が苦手な人は読まないでください。
前回の『集団自殺と永久追放された女の子。』のつづきになります。
夕方になってもお父さんは来なかった。
なんか、急にお母さんが迎えに行くように言ってきたから、仕事のことでイロイロあって遅れたって、後からきいて知った。
お父さんに嫌がらせして、施設に迷惑かけて、アタシに恥をかかせたお母さんは、ホントに最低な人だと思った。
それから、お父さん待っているあいだ、私はミスミさんと話す時間があった。
ミスミさんは、なんか、よくわかんないけど怒っていて、意味不明な悪口をたくさん言って『お母さんに迷惑かけたらダメだよ?』とか言ってきた。
なんか、ぜんぜんわかんなかった。
だから、子どもながらにガッカリしたし、施設まで来てあげたのに最悪だと思った。
それから、たしか、夕飯食べてキベさんにチィたちへの置き手紙わたして、イロイロ話した。
帰っても、電話するし、手紙書くね?とかイロイロ話した。
キベさん泣きそうになってたし、新しいお母さんだと思っていたアタシは、フツーに泣いた。
そんな感じでキベさんと話していたら、トンガリおばさんたちが来て『お父さん、きたよ』て言ってきたから、キベさんと一緒に一階の広場に向かって、お父さんに会った。
お父さん久しぶりだったから、すごいうれしかった。
それで、お父さんと手つないで、フツーにキベさんたちにバイバイして、施設から家に向かうことにした。
もう、フツーに夜だったから星空とか、すごいキレイだった。
しかも、お父さんが途中でチョコとかいっぱい買ってくれていたから、手をつないでいないほうの手で、お菓子食べながら歩いていて、すごい幸せだった。
さらに、幸せなことがあって、お父さんが『どうせ今から帰っても遅くなるから、途中で泊まっていこうな』て言ってくれたから、フツーに旅行になった。
そんな感じで、お父さんとの楽しい旅行がはじまった。
それで、ホテルに向かっている途中、私は気になっていたからきいてみた。
殺されちゃったお父さんのお姉ちゃんのことを。
なんか、お父さんにフトクメのおばあちゃんの話をしたら、ぜんぶウソだとわかった。
たしかに、お父さんのお姉ちゃんは同じ施設にいたけど、知的障害とかではなかったし(勉強はできなかったみたい)、永久追放ではなくて、勘違いで強制退去になったけど、人に優しい人だったから悪いことなんてするわけがないって言われた。
それから、集団自殺なんかあったら、大騒ぎになって施設が閉鎖されてるはずだから、それもウソだと言われた。
たしかに、お父さんの話きいて、そうだな、て思った。
でも、そのフトクメのおばあちゃんが言ってた女の子が、お父さんのお姉ちゃんなのは、まちがいないみたいだった。
人と話すのがうまくて、友達がたくさんいた、て言ってた。
ただ、あんま勉強ができなかったし、人に勘違いされる損な性格だったとも言ってた。
私は、お父さんの話をきいて、フトクメのおばあちゃんは、やっぱりボケちゃっていたんだと思った。
その後、ホテルへ向かう電車の中で、そのお姉ちゃんが施設から退去したあとの話をお父さんが話してくれた。
つづく。