浪人生のお兄さんと中学生のアタシ・・・。
けっこう昔、七年くらい前。
私は中学生(一年生)でいくつかのSNSでヒマつぶしをして遊んでいた。
その中の一つGREE(グリー)というSNSで、私は浪人生のお兄さんと出会った。
その時のアタシは同じ学校の人と一緒になって、知らない人のホームページの伝言板に落書きして逃げるいわゆる『荒らし行為』をくり返していた。
落書きする相手は、おもしろい名前の人をテキトーに検索して調べて、そこから飛んでいく感じだった。
その夜はなんとなく一人で落書きする相手を探していた。
なかなかおもしろい名前の人がいなくて、あきらめて寝ようかと思った時に見つけた。
明日作朗(あしたつくろう(仮)さん。
私的におもしろい(残念な)名前だったから、笑いながらその人のもとへ飛んでいった。
そのSNSは、日記を書けるようになっていて、その人は日記を毎日書いていた。
なんとなく読んであげたら、なんか、その人は浪人生で長野県の田舎からわざわざ神奈川県まで引っ越して頑張っているみたいだった。
なんか、浪人生とか、その時のアタシには意味不明だったけど、とりあえず、伝言板に『ここで遊んでないでもっと勉強に熱中しないとダメだよ?わかった?』みたいなことを書いて逃げだした(ヒドイ)。
それで反応を待っていたんだけど、その人はinしてなかったみたいで、ドンドン時間がたって、気づいたら私はケータイ持ったまま、ヨダレたらして眠ってた。笑
朝起きて確認したけど、やっぱり反応なし。
つまんない人だと思って忘れて、学校行って夜になってまたSNSやったら、なんか、アタシの伝言板に『応援してくれるのは有難いが、熱中ではなく集中が正しいだろう』みたいな書きこみがあった。
そこからなんか、イロイロな日本語の訂正をやられて、気づいたら仲良くなって写メとか送りあったりして遊んでた。笑
今とちがってその時のアタシは警戒心がまったくなかったから、気にせずに写メとか送ってたし、それが逆に良かったみたいで、お互いに悩み事とかを言えたんだと思う。
私は学校の友達には言えないようなお母さんからの虐待とか、お父さんとの関係を話していたし、作朗さんは田舎の両親に苦労かけて浪人生活やっているのが苦しすぎるみたいなことを話していた(ちなみに作朗さんの名前は『しっかりとした明日を作りたい』というメッセージをこめて作っていた)。
お互いに悩み持ちで、しかも話してわかったことだけど、私とお兄さんの住んでる場所は電車で二十分くらいの距離だったから、よけいに話していて楽しかった(私は藤沢駅でお兄さんは横浜駅)。
なんか、それから毎日GREEで話してた。
学校で授業うけながらGREE行って遊んだり、話したりイロイロしてた。
友達に言えない家のことを話していたから、なんか、すごい話しやすくて、日記のコメント欄とか、一日で1000コメくらい話したりした日もあった。
たしか、知り合ったのが十月くらいであっという間に十二月になっていた。
それまで、ずっと毎日SNSの中で遊んでいて楽しかったけど、ある日から、私は作朗さんと一切話さない決意をした・・・。
つづく。