riri_kawaseの世界。

明日もあなたが幸せでありますように・・・。

『できていたら』の話をするアタシ。/ただの思い出。

以前も書いたかもしれない。


でも、また書こうと思う。。。


私が小学五年生の時に転校生がきた。


岩手県から引っ越してきたユイちゃん(仮名)。


どうしてその時期に引っ越してきたのかよくわかんなかった。


誰かが『いじめられて転校してきたのかな?』とか話していたけれど、ユイちゃんはめちゃくちゃ明るくておしゃべりで、そういうタイプではなかった。


ほんとあっという間にクラスの中心になった。


みんなから慕われる人気者。


なのに、何故か私にやたらと話しかけてきた。


当時から私は学校にほとんど行かなかったし、行っても授業中にスケッチブックに絵を描いていたり、家から連れてきた飼い猫がいなくなったと騒ぎだしたり、やりたい放題の問題児だった。


あきらかに、ユイちゃんとかグループがちがったのに話しかけてきたから、ビックリしたし困った。


・・・後から思うと、ユイちゃんは私が似たような境遇だとわかって親しみを持ったのかもしれない。


私は当時、人に母子家庭であることを言わないようにしていた。


恥ずかしいからとかそういう理由からではなくて”母親のこと“を話題にしたくなかったからだ。


嫌いだった。


暴力をふるう母親が大嫌いだった。


だから、中学生になってからはほとんど家に帰らなくなった。


でも、小学生の当時は家出とかしてなくて、我慢して生活していた。


母親の存在を隠しながら。


ユイちゃんは頭の良い人だから、すぐに見抜いたんだと思う。


毎日、ユイちゃんと遊んだ。


遊ぶ時は毎回うちだった。


『私の家、お母さんが病気で家にいるからダメなんだ』


と話していた。


私とか何にも考えてなかったから『そうなんだ。じゃあ、うちで遊ぼう^^うちは夜までお母さん仕事で帰ってこないし』


とか言って、うちで遊んでた。


ユイちゃんの家は両親がいて中学生のお兄ちゃんがいるフツーの家庭だった。


表向きは。。。


学校行事でピクニックに行った時だった。


私とユイちゃんは2人だけでお昼ご飯を食べていたんだけど、よく見たらユイちゃんのお弁当は醤油がかかっただけのお弁当だった。


それは、なんか、すごい衝撃的なことだった。


今はわかんないけど、私が小学生の当時(約10年前)はキャラ弁とかがすごい流行っていて、普段暴力をふるうろくでもない私のお母さんですら、見栄をはってキティちゃんとかを作ってくれていた。


そんな当時に醤油だけのお弁当をフツーに食べるユイちゃんとか、ものすごい衝撃的だった。


だから食べるのをやめて、なんか、イロイロ考えていたら『私のお母さん、お酒を呑むと何にもできなくなるんだ^^』てすごい笑顔でユイちゃんに言われた。


『そうなんだ』


て言ったけど、衝撃的すぎてかたまったままだった。


なんか、ユイちゃんのお母さんは今ならわかるけど、典型的なアルコール中毒の人で、家で一日中お酒を呑んで過ごしているみたいだった。


『だから、私とお兄ちゃんでよくお酒の瓶を隠すんだ^^』てユイちゃんは言っていた。


なんか、知ってはいけないことを知ってしまったような気がしたし、自分だけが母子家庭で暴力ふるわれているのを秘密にしているのが悪いような気がした。


でも、言えないままずっと二人は仲良しで、あっという間に小学校を卒業して、春休みになった。


中学になったら、私とユイちゃんは学外だったから別々の中学になる予定だった。


それでも、相変わらず私とユイちゃんは仲よく遊んでいた。


『それじゃあ、またね^^』



いつものように自転車で帰っていくユイちゃんを私は見送った。


明後日から中学生になる日の夕方だった。


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その日は珍しくお母さんの機嫌が良くて、二人で外食して帰ってきたら、お母さんの携帯電話がなった。


玄関先で靴とか脱ぎながら、お母さんが誰かと話していた。


相手は私の担任みたいで、なんか、何度もユイちゃんの名前を言っていた。


なんか、とんでもないことがおきたんだと思った。


それまでディズニーランドにいるような気分だったのに、一気に夜の森の中に置き去りにされたような気分になった。


電話をきったお母さんに言われた。


ユイちゃんのお母さんが亡くなったこと。


ユイちゃんのお父さんが逮捕されたこと。


ユイちゃんとお兄ちゃんが岩手県のおじいちゃんのところに引っ越すこと。


さっきまで一緒に遊んでいて『またね^^』したユイちゃんと、もう会えないのが信じられなかった。


どうしてお父さんがお母さんを殺しちゃうのかもわかんなかった。


急いでそのままユイちゃんの家に向かおうとしたけど、お母さんに止められて、おもいっきり叩かれて泣いて寝た。


それからの記憶がまったくない。


気づいたら、私は中学の制服を着てフツーに中学に通っていた。


ユイちゃんのことは、まるでなかったように生活していた。


どうしてあんなに仲よくしていたユイちゃんと会えなくなったのに、忘れてしまったのか、私にはよくわかんない。


でも、あれから、本当に仲の良い友達はできなかったような気がする。


たまに思う、唯一ユイちゃんのお母さんがアルコール中毒だと知っていた私が何か行動していたら、ユイちゃんのお母さんは殺されなかったのかな?


とか


ユイちゃんのお母さんが殺されなかったら、お父さんは逮捕されなかっただろうし、ユイちゃんも岩手県に引っ越すことはなかったのかな?


とか


もし、引っ越してなかったら、中学生になってもずっと遊んでいて、私はお母さんのことを話せたのかな?


とか


イロイロと考えてしまう。


もちろん、何にも意味のない『できていたら』のお話。


たまに、考えてしまうユイちゃんのこと。


私がもっとしっかりしていたら、助けられたのかな?


て。


一生、こんなふうに思っているような気がするアタシでした。


最後まで読んでくださり、ありがとうございましたm(__)m。


またね^^