riri_kawaseの世界。

明日もあなたが幸せでありますように・・・。

夢の中の初体験。/錦鯉の話。

これは夢の話。


その人とはバイト先で知り合った。


パン屋さん。


美大卒業しているけど、まったく最近は絵なんて描いていないと話していた。


ぜんぜん絵の話なんてしないで、いつもバカみたいな話しかしなかった。


たまに車で送ってもらった。


雨の日とか。


よく仕事中にふざけて抱きしめあったりした。


みんなそれを見て笑っていた。


私たちも笑っていた。


『たまにはうちに来ない?』


次の日は休みだったから、泊まりに行くことにした。


なんか、一瞬、違和感を感じたけれど、気にしないことにした。


その人は古いマンションに住んでいて、バイト帰りにコンビニでおにぎりとか買って、夕方というか夜に着いた。


マンションの階段はけっこうサビだらけだったし壁も汚かった。


でも、部屋の中は綺麗だった。


クリスチャン・ラッセンが好きなんだ』


部屋にはラッセンのパズルが溢れていた。


それを見て、何故かわかんないけど、その人には絵のセンスがまったくないのだろうな、と思ってしまった。


2人してテレビを見た。


いつも以上にくっついて。


笑ってはいたけれど、もう、気づいていた。


『お風呂、先に入れば?』


『うん^^』


と言って先に入って念入りに洗った。


海外のシャンプー等を使っていた。


知らないメーカーだった。


『同じ匂いになっちゃったよ?』


て言いながら出たら、また抱きしめられた。


その人がお風呂に入っている間、リビングを物色してみた。


特に怪しいものは見当たらなかった。


お風呂から出たきたその人は『寝ようか?』と言ってきた。


2人して手をつないで寝室に向かった。


ダブルベッドだった。


テレビを見ながら眠る関係で、その人が私の後ろで眠る形になった。


テレビの内容はまったく頭に入らなかった。


その人の鼓動が聞こえたような気がした。


急に後ろから抱きしめられて、すべてを理解した。


それから振り返り、私からキスをした。


それですべてが決まった。


いろんなことが終わったあと、私はその人に腕枕をしてもらいながら、その人の作りだす煙が天井にのぼっていくのをぼんやりと眺めていた。


煙草をくわえたままその人は言った。


『これは誰にも言えないな・・・』て。


それを聞いて悲しくなった。


私は17歳でその人は30を過ぎていた。


その人はバツイチで4歳の男の子のお母さんだった。


それでも私の初めての人だった。


ネットで有名な私の初めての人だった。


『私の名前を検索してみなよ?』て言いたくなった。


『私ほど可愛くてセンスのある女はなかなかいないんだよ?』て言いたくなった。


でも言わなかった。


・・・寝室には場違いなくらいデカい水槽が置いてあって、その中に錦鯉が2匹いた。


錦鯉が泳ぐ姿を私はぼんやりと眺めていた。


さっきから何かを感じていた。


でも、それが何かは結局わからなかった。


半年くらいして私は店長とケンカしてバイトをやめてしまった。


それから、その人とも会わなくなってしまった。


たまに連絡がくるけれど、もう、会う気にはなれない。


だって、フツーのお母さんにしか見えなくなっているから。


冷めた?


魔法がとけた?


わかんない。


あの頃の異様な熱の原因は私にもわかんない。


なんだったのだろうね?


あの人の顔すら忘れてきているのに、錦鯉が暗闇で泳いでいたのは、不気味なくらいはっきりと覚えている。


誰かが何かを伝えようとしている気がした。


はっきりと。


でも、何を伝えようとしているのか、いまだに私にはわからない。。。


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最後まで読んでくださり、ありがとうございましたm(__)m。


またね^^