ノーベル賞を受賞できない村上春樹さんの落選理由を考えるアタシ。
【村上さんについてあれこれ】
村上春樹さんの小説は読みやすい。
難しい言葉があまりなく、平仮名でシンプルに書かれている印象。
近所の本屋さんに村上さんの特設コーナーが以前あって、そこに『やさしい言葉で難しい世界を構築する作家』みたいに紹介されていて納得した記憶がある。
とにかく読みやすい。
だから、スラスラ読める。
でも、村上さんの世界って何がなんだかよくわかんない。
はっきりとした答えがないわかりやすくて難しい世界。
村上春樹さんにはたくさんの読者がいる。
どうしてかと言えば、それだけたくさんの人が感情移入できる視点で書かれているから。
大学生もでれば主婦もでる。
片足の不自由な障害者や双子の姉妹もでる。
恋人が自殺した人や学生運動(学生闘争)している人もでる。
活字中毒の人もでればトラック運転手もでる。
ピアノの先生もでれば家出する中学生もでる。
たくさんの人にあうように考えられた作品だからこそ世界中で読まれているんだと思う。
でも、それでノーベル賞を受賞するのに十分かと言えば、それはちがうような気がする。
反戦や平和について歌う歌手のボブ・ディランさんが去年は受賞した。
スピーチでテロや原発に言及することはあるけれど、脱原発や反戦を全面にだした小説を村上さんが書いたなんて聞いたことがない。
過去に受賞した日本人作家の川端康成さんの受賞理由は、日本人特有の美意識や死生観などが、叙情豊かに表現されていること等があげられた。
村上さんはボブ・ディランさんにも川端康成さんにも当てはまらない・・・。
ただ、何度も書いていますが人気はありますよね。
よく『村上春樹よりも上手い作家はたくさんいる』と言う人がいるけれど『村上春樹さんよりも海外で人気の日本人作家がいる』とは聞いたことがありません。
人気は武器になる。
過去にノーベル賞を受賞した作家がカフカ賞を受賞していたから。
毎年オッズで1位や2位になるのも名前があがる理由の1つかもしれないけど、これも人気があるからのランキングで選考には関係ないと言われたりしている。
受賞しても不思議ではない下地はある(?)。
でも、受賞できなかった時に『だよね』て言われる作家さん。
結局、作品と同じで私には村上春樹さんはつかみ所のない、とにかく人気のある作家さんで終わってしまう・・・。
【今回の受賞者はカズオ・イシグロ氏】
先程、英在住の日系人作家カズオ・イシグロさんが今年のノーベル文学賞を受賞しました。
以前から注目をあびる作家さんで、英国のブックメーカーランキングでは66倍のオッズがついていました。
ちなみに、今回も受賞を逃した村上春樹さんは、1.5倍と1番人気とも言われていました・・・。
【追記】
今回のカズオ・イシグロさんの受賞で、ブックメーカーのオッズや人気比率等が選考対象にならないとわかりましたね。
人気以外の部分で、今後村上春樹さんが評価されるには、やはり作品で示さないといけないのだと思いました。
ちなみに私は、村上春樹さんのノルウェイの森が好きだったりします。
ノルウェイの森(映画)
ハルキストではないけどね。
長々と駄文を失礼しましたm(__)m。