riri_kawaseの世界。

明日もあなたが幸せでありますように・・・。

クローディアになりたいアタシの映画レビュー/夜明けのヴァンパイア(インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア・ネタバレ含む)。

永遠の命についてみなさんは考えたことがありますか?


一生歳をとらず、永遠に若く美しいまま、永遠に快楽を貪ることができたら、それは幸せでしょうか?


本作『夜明けのヴァンパイア(インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア)』はそういったテーマで描かれた映画です。


f:id:riri_kawase:20170928212921j:plain


私が初めてこの映画を観たのは何年前だろう?


幼かった私はヴァンパイア(吸血鬼)という生き物に対して『恐怖心』ではなく『憐れみ』や『同情』という気持ちが強かった記憶があります。


本作は他のヴァンパイア映画のようなおぞましい怪物としてではなく、悩みを抱えた生き物としてのヴァンパイアを描いた先駆け的な作品だったりします。


原作者であるアン・ライスは、幼い娘を亡くした1人の母親として『命とは何か?』『親子とはどういうものなのか?』そういった気持ちから『夜明けのヴァンパイア(インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア)』を1976年に出版したのだと思います。


みなさんご存知だと思いますが、原作は爆発的な人気をはくし(私の本棚にも勿論あります)映画化へとなりました。


記者(ライター)がヴァンパイアにインタビューをするという、前代未聞の形式で物語が始まる異様性と、ロココ(アビ・ア・ラ・フランセーズ系?)調に代表される目を見張る服飾の華麗な美しさに、見る人はホラー映画を見ているのではなく、美術館で開かれたサーカスを見ているような気持ちになるのではないでしょうか?


f:id:riri_kawase:20170928213102j:plain
インタビュー時のルイ。


舞台は18世紀初頭のアメリカのルイジアナ。とにかく、まず最初に目をひくのがきらびやかで美しい服や骨董品のように洗練された家具や建物。


『こんなお家に将来住みたいな』て幼い私はすぐに思いました(注意/本作はホラー映画です)。笑


そしてそんな華美華麗な服や家具に負けない圧倒的な迫力と美しさを持ち合わせたヴァンパイアである彼らはまさに『怪物』です。


f:id:riri_kawase:20170928213152j:plain


当初、原作者のアン・ライスは主役を勤める俳優トム・クルーズの配役をミスキャストだと考えていました。


原作の主役であるヴァンパイアであるレスタトは、映画トップガンなどに出演していたトム・クルーズからはかけ離れた印象をアン・ライスは持っていたのでしょう。


ところが完成したものを観たアン・ライスはその出来映えにとても満足したそうです。


そこには俳優のトム・クルーズではなく、快楽を永遠に貪ることに微塵の疑問も持たない美しき怪物レスタトがいたからでした。


f:id:riri_kawase:20170928213227j:plain


レスタトには美しい家具や建物や服を収集する趣味(性癖)がありました。


そういった性癖から、夜の相手(獲物)も美しい者(美少年/美青年)を選ぶことが多く、自分の伴侶には美しき青年ルイ(ブラッド・ピット)を当然選びます。笑


f:id:riri_kawase:20170928213304j:plain


ある夜を境に農場主の若き悩める美青年のルイは、永遠に悩みを抱える美しきヴァンパイアへと変貌します。


元々、人生に悲観的だったルイに他者の命を奪って生きつづけなくてはいけない運命のヴァンパイアは、あきらかに苦悩以外のなにものでもありません。


f:id:riri_kawase:20170928213333j:plain


永遠に苦悩しながら鼠や家畜ばかりを相手に生きながらえるルイを見て嘲り笑うレスタトは、鬼畜で変態で素敵すぎます。笑


美しいルイが命を奪うことに苦しむ姿を見たい気持ちもあったから伴侶にしたんだと思うと、その変態的な性癖がうかがい知れますよね?


さらにこの変態鬼畜王子様のレスタトは、ルイの伴侶(娘)として幼い少女クローディア(キルステン・ダンスト)をヴァンパイアにする暴挙まで犯します。


ヴァンパイアの世界にもルールが存在していて、自分一人で生きていくことが困難な幼い者はヴァンパイアにしてはいけないというものがあったのです。


ところが鬼畜すぎる変態なレスタトさんは、悩める美青年のルイをさらに苦しめたい欲望から、禁忌を気にせず破り子どもにオモチャをあたえるように、クローディアをプレゼントします。


f:id:riri_kawase:20170928213415j:plain


ここから生まれる子どもの姿のままなのに、中身は成熟した大人な女クローディアの悩みも見ていて可哀想になってきます(鬼畜なレスタトさんがそんなクローディアをからかう姿に酷すぎると思ったし)。


やりたい放題のレスタトさんですが、もちろん天罰がくだります。



そしてそれが原因の一つとなり、レスタト、ルイ、クローディアの華麗で無敵な『家族』は崩壊をはじめます。


f:id:riri_kawase:20170928213455j:plain


本作を観たことがある人はいると思いますが、また観てみると違った考えが生まれることがあると思います。

私も、最近見直して色々と考えさせられました。

本作を観て原作を読むとまた違った裏設定を知れて楽しいかも知れないので、原作も読んでみる価値はあると思います。


ただ、続編がたくさんあって睡眠不足必死かもしれませんが。笑


f:id:riri_kawase:20170928213539j:plain


以上、クローディアになりたい(笑)カワセリリのなんとなく映画レビューでした。


最後まで読んでくださり、ありがとうございましたm(__)m。


またね。





※我慢できなくてイラストも描かずに書いてしまいましたm(__)m。

※あと、寝不足必死とか書いていて、じつはほとんど読んでいなかったりするのは秘密だったりします。笑

それじゃあ、ほんとにまたね。



【スタッフ】

監督 ニール・ジョーダン
脚本 アン・ライス
原作 アン・ライス
夜明けのヴァンパイア
製作 スティーヴン・ウーリー
デヴィッド・ゲフィン
出演者 トム・クルーズ
ブラッド・ピット
キルスティン・ダンスト
クリスチャン・スレーター
スティーヴン・レイ
音楽 エリオット・ゴールデンサール
主題歌 ガンズ・アンド・ローゼズ
「悪魔を憐れむ歌」
撮影 フィリップ・ルースロ
編集 ミック・オーズリー