じつは、アタシだけがフツーでした。
※閲覧注意のお話です。暗い話が苦手な人は読まないでください。
前回の『ラップの外へでるメチャクチャな計画。』のつづきになります。
最近、思い出しながら施設にいた時のことをイロイロ書いているけど、とにかくかわったこと(?)がおおかった気がする。
『ラップ脱走事件』の時に一緒だった友達に、キューて子がいた。
キューて子は、フツーていうか、無口でつまんない子だったけど、その子のお姉ちゃんが施設ですごいたくさん武勇伝(?)みたいなのを残していた。
キューがアタシと同い年だったから、たぶんお姉ちゃんとか、中学生くらいだったはずだけど、フツーに施設の中で車とか運転していたらしい。
しかも、ひき逃げとかしていて、けっこう問題になったみたいだけど、なんか、キューのお姉ちゃんは、それでもラップにいつづけて、建物とかに火をつけたりして、とにかく問題ばかりおこしていて、有名だったみたい。
アタシも、そういう話きいて、あってみたかった、て思った。
キューのお姉ちゃんは、アタシが行く少しまえに自殺してたから、会うことはできなかった・・・。
施設では、まえはすごい自殺する人がおおかったみたいで、だから建物の窓ガラスは割られてもいいようにテープが×印で貼られていたし、サクとかも窓や屋上にたくさんあって、飛び降り自殺とかをさせないようにしていた。
あと、凶器になるからハサミとか包丁とかは、使える人は、今おもうと限られていた。
キューのお姉ちゃんのこと、書いて思い出したけど、よくボタやチィから『キューのお姉ちゃんの再来だね』て笑われた。
たぶん、それは、私が住みはじめてすぐにボヤさわぎをおこしたからだった。
アタシはアイロンとか使ったことなかったけど、キベさんが使っているの見てたから、だいたい使い方わかっている感じがして、ふだんお世話になっているから恩返しで、キベさんのためにアイロン、フツーにかけてあげた。
それで、アイロンじたいは上手く使えたんだけど、使い終わったあとコンセントにさしたまま遊びに行ったら、あとでボヤさわぎみたいなことがおきてて、部屋に戻ってから、トンガリ帽子おばさんたちにけっこう怒られた。
もちろん、わざとではなくて事故だったからしかたないんだけど、その事件から『キューのお姉ちゃんの再来』て言われたりした。
私的には、自殺した放火お姉ちゃんと一緒にしないでよ?て感じだった。
私のは事故だし。
逆にアタシからしたら、チィとかのほうがヤバいと思うことがおおかった。
まだ夜間外出禁止になるまえ、チィの部屋に夜遊びに行った。
その時、なんかの理由でチィの部屋のおばさんがいなくて、チィだけが部屋にいた。
それで、アタシがチィの部屋行ったら、チィが床にちょくせつ寝ていた。
上をむいたあお向けの状態で寝ていて、一人ですごい笑ってた。
ラジカセで意味不明な音楽かけていたけど、その音楽にあわせて(?)笑っている感じだった。
私がチィの顔のぞきこんだら、チィの黒目がすごいグルグル回ってて、私が手を差しだして、起き上がるの手伝ってあげようとしたら『ギャア』て叫ばれた。
一緒にきていたボタが笑いながら『行こ』て言ってきたから、部屋にチィ放置して出かけたけど、あれ見てチィとかヤバいと思った。
ボタも『チィはフツーじゃない』て言ってたけど、ボタとかフツーにタバコとか吸いながら言ってたから、アタシからしたらボタもフツーじゃないって思った(ボタに『小学生がタバコ吸っていいの?』てきいたら、私35歳だよ?』て言われたりした。二十歳とか言う時もあった)。
けっきょく、今思うと、あの施設でフツーだったのは、私だけだったんです。
ちょっと話が脱線したけど、勘違いされたらイヤだから書いてみました。
ラップ脱走事件へつづきます。