凶暴なお母さんと意味不明な記憶。
※閲覧注意のお話です。暗い話が苦手な人は読まないでください。
前回の『夢みたいな現実と大キライなお母さん。』のつづきになります。
どうしてなのか覚えてないけど、私はその時、一人で一階の作業室にいた。
たしか、カゴをみんなで作ったあとで、私だけが、一人で残ってなんかしていた。
その日は久しぶりに雨が降っていて、いつもよりもすずしかった。
でも、夏だから寒気を感じるほど寒くはなかった。
なのに、急にゾッとする感じが後ろからしてふりむいたらお母さんが立ってた。
突然だったし、一瞬、お母さんがえたいの知れない何かに見えたから、叫びそうになった。
で
『何してんの?』
て
ビックリしながらアタシがきいたら
『・・・。』
て
感じで、お母さんがアタシをにらんできた。
すごい凶暴な目だった。
それからゆっくり私への悪口をはじめた・・・
『あんたは、ここにきてもおんなじなんだね?そんなに私を困らせたいわけ?』
意味がわからなかった。
急にきたお母さんがいきなりそう言ってきたけど、なんで、そんなこというのか本当にわかんなかった。
だから『何いってんの?』てきいたら、いきなり叩かれた。
それから、また、意味不明な悪口がつづいた。
『やっぱり生まなきゃよかった』とか『あの時、里子にだせばよかった』とか『こんな施設じゃなくてサクのついた病院にとじこめたいわ』とか、とにかく私がキズつく言葉をいつものようにならべた。
そして、いつものように、私はキズついて泣いた。
それから『あんた、ちゃんと謝る気がないなら帰ってこなくていいからね?もう、いらないから。バイバイ』て言われた(本当に言われた)。
それで、お母さんがアタシのことがキライだから、捨てて帰るんだとわかって、すごいあせって、必死であやまった。ごめんなさい、ごめんなさい、て何度も。
でも、お母さん許してくれなくて『なんで、怒られてるのかわかっているの?』て、すごい怒鳴られた。
もちろん、わからなかった。
急にきて『どうして困らせるの?』て怒りだした理由なんて、ぜんぜん心あたりがなかった。
だから『わかんない・・・』て顔クシャクシャにしながら泣いて言ったら、また叩かれて『理由もわからないのに謝るな』『そんなに私をバカにして楽しいのか?』て、また、怒鳴られた・・・。
気づいたら、キベさんと知らないおばさんがきていた。
お母さんもその二人に気づいたみたいで、急に怒るのやめて、キベさんとなんか、話しだした。
私は泣きすぎて気持ち悪くなっていたから、キベさんと一緒にきたおばさんと一緒に、部屋に戻って休むことにした。
それで、部屋に戻ってベッドにたおれこむようによこになったら、すぐに頭の中が真っ暗になって眠ってしまった。
それから、起きたら夜になっていて、いつの間にか戻ってきていたキベさんから、お母さんが帰ったことを知らされた。
私はお母さんがまったく理解できないでいた。
急にきて、意味不明な理由で怒りだして、また、急に帰るお母さん。
何がしたいの?そんなに私がキライなの?
イロイロ考えた。
あと、私が自分の意思でここに一人できたのに、お母さんは自分が頼んで連れてきてもらったようないい方をしていたけど、どうしてそんなふうに言ったのかも意味不明だった。
私の記憶とお母さんの記憶がこんなにちかうのが不思議だった。
でも、よく考えてみると、私は誰かと二人で施設まできたような気もしてきた。
怒られすぎて頭がパニックになっていた。
だから、気づいたら、また泣いていて、キベさんに『大丈夫だよ』て抱きしめてもらっていた。
つづく。