riri_kawaseの世界。

明日もあなたが幸せでありますように・・・。

意味不明なブタおばさんとのすごい長い道のり。

※閲覧注意のお話です。暗い話が苦手な人は読まないでください。








前回の『新しいミスミさんとアタシ。』のつづきになります。






アタシが夏休みのあいだだけ生活することになった場所は、大ホールがあった建物から、けっこう離れていた。



そこまでの道案内は、ミスミさんと一緒にいた、トンガリ帽子かぶったブタみたいに太ったおばさんだった。



『暑いし、距離があるから、休み休み行こうね?』





そのブタおばさんは、ひんぱんに言って少し歩いては汗だくになった顔とかをタオルでふいて休んでいた。



アタシはぜんぜん疲れていなかったし、休むと逆に歩くのがイヤになっちゃうから『アタシは休みたくないから、テキトーに歩いているからね?』て言って先にトコトコ歩きはじめた。



そうすると後ろのほうから『待って、そっちちがうから~』て言いながらブタおばさんが追いかけてきた。



ブタおばさんは、そっちちがうとか言ってたけど、ほとんど一本道だったから、アタシが歩いていた道はまちがっていなかった。



なんか、とりあえず休みたいからってウソつくとかイヤなブタおばさんだと思った。



ブタおばさんと一緒に休んでいる時に、きいてもいないのにブタおばさんがいろんな自分の話をしていた。



なんか、ブタおばさんのお母さん(お母さんって言ってもブタおばさんのお母さんだから、アタシからしたらおばあちゃんだけど)は、昔はすごく優しくて良いお母さんだったらしい。



だけど、お父さんが事故にあって寝たきりになって介護生活するようになってからは、すごい怒りやすい悪いお母さんになってしまったみたいで、それが原因で自分はフツーに生活するのがむずかしくなったから、ここで生活してるとか、そんな感じのことを何度も話していた。



はっきり言って、アタシはぜんぜん興味がなかったし、なんか、イヤな感じの人だと思ったから、フツーにムシしてベンチから見える山とか建物とか見たり、セミの鳴き声とかきいたりしていた。



書かなかったけど、何十メートルくらいかのかんかくで、木のベンチがあったから、それに座って私たちは休むようにしていた。



f:id:riri_kawase:20170610114943j:plain




すごい暑くてイライラしていたのに、意味不明なブタおばさんが一緒だったから、アタシはさらにイライラしていた。



だから、歩いている時とか木にセミがとまっていたら、道に落ちてる石とかひろってセミにむかって投げたりしていた。



『セミとかうるさいし』て思っていた。

道の途中で見つけた案内板に、その敷地内の地図が描いてあって、敷地内にトエイ会館(?)とか水を流す工場(?)があるみたいだった。



なんか、複雑な場所だと思った。



私が案内板見ていたら、ブタおばさんが意味不明な説明をはじめた。



『今は時期的に花火大会とかちょっとしたお祭りがあるから、楽しいよ?』て言ってきたけど、どうして案内板みていたのに、そんな話をしてくるのかが意味不明だった。



暑いのにお祭りとか行きたくないし、て思ったりした。



それからまた、すごいいっぱい歩いて、たまにムリやり休憩させられて、ききたくもないブタおばさんの悲劇のヒロイン話をきかされて、ようやく見えてきたその施設は、なんか、病院みたいな建物だった。



f:id:riri_kawase:20170610115016j:plain




大ホールがあった建物と同じように二階建てだったし、窓には×印にガムテープみたいなのが貼られていた。



それから、よくみたら二階の窓には鉄のアミみたいなのがしてあった。



屋上もあるみたいで、上のほう見たら手すりがあった。



アタシたちを待っていたみたいで、一階の入り口のところに、何人かの人が立っているのが見えた。



その雰囲気が、なんか、不気味な感じがした。



うまく説明できないけど、いったらいけない世界みたいな感じがして、さっきまで建物の中に早く入ってすずしくなりたいと思っていたのに、急に歩けなくなった。



アタシの中で危険(?)を予想したんだと思う。



でも、急にとなりにいたブタおばさんが強気(?)になって『早くおいで』て言ってアタシの手を引っ張ってきた。



ブタおばさんの顔は夕焼けに逆光して、なんか、不気味な怪物みたいに見えて、よけいに行きたくなかった。



f:id:riri_kawase:20170610115046j:plain



でも、行くしかないと思って、あきらめて、私は歩きはじめた・・・。



つづく。